あふれんばかりのお献立に目が泳いで、行ったり来たり。
久しぶりに訪れたその日。開店から1時間後の午後6時。もう店内は満席。御通し、力強い書体で店名がプリントされた箸袋入りの割り箸、おしぼりが取り残されたように並ぶカウンターの一番奥が私たちの席。この美しく盛られた三点盛りのお通しは、電話で予約した人に出されるのです。まずは、瓶ビールを頼んで、魅力あるお献立(久昇では、メニューをお献立と表記)の数々へ目を泳がせる。ビールの到着と同時に、貼られた短冊、席前に置かれた今月のご推薦、達筆に書かれたそれらから、まずは、1、2品、季節のものを注文。ビールを注ぎ、乾杯、ごくり。…